「巡り(循環)の良い暮らしを届けていきたい」LOVST TOKYO ブランドインタビュー
2021年にローンチしたブランド「LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)」は、廃棄リンゴから生まれた「アップルレザー」など、植物由来のヴィーガンレザーを用いたアイテムを展開しています。 先日2022年1月22日にはリブランディングを発表し、”アップサイクルから始まる、巡りのよい暮らし。” をコンセプトにライフスタイルブランドとして生まれ変わりました。 LOVST TOKYOを立ち上げた、代表の唐沢海斗さんに、お話を伺いました。 アップルレザーを取り入れたライフスタイルブランドの立ち上げ ___ブランドを始めるきっかけは? 唐沢:2018年からインポートアイテムのブティック事業に着手し、2021年プライベートブランドの「LOVST TOKYO」を立ち上げ、最初はクラウドファンディングからスタートしました。 ブランド名には、LOve(愛を持って) + Vegan(ヴィーガンのような多様な価値観を) + 1ST(一番に尊重できる文化を) + TOKYO(東京から発信していく)ことを目指したいという想いを込めています。当初手がけていたブティック運営、セレクト・販売を行う中で、もっと自分たちで責任を持った物づくりを通してメッセージを発信したいという想いから、LOVST TOKYOをはじめました。 ___LOVST TOKYOの商品は高級感があって素敵ですね。 唐沢:多くの商品に使っているアップルレザーはイタリアのメーカーから直接仕入れているのですが、ツヤがあり、たくさんの方から可愛い!というお声をいただいております。 ___アップルレザーというのは、実際に生地にりんごが練りこまれているのですか? 唐沢:そうです。アップルレザーは、本来捨てられるはずだった、りんごジュースの搾りかすをアップサイクリングして、合成樹脂と混ぜ合わせることで生まれたヴィーガンレザーです。 ___LOVST TOKYOのオリジナルコレクションを拝見し、高いデザイン性と軽さに驚いたのですが、その秘密を教えてください。 唐沢:現行のバッグのデザインは、私自身のイメージを工房に伝えて作ってもらっているのですが、実はこれからデザイナーさんにも入ってもらって、新しくデザイナーズコレクションというラインを展開していく予定ですので、ぜひ期待してください!また、アップルレザーのような植物由来のヴィーガンレザーは、天然皮革と比べて軽いという特徴があります。加えて、天然皮革や従来のヴィーガンレザーよりも、水や排出するCO2の量を抑えることができ、環境問題や動物にも配慮したものづくりを実現しました。 ___可愛い・使いやすい・環境配慮の三拍子が揃っているのは魅力ですね! 唐沢:作り手としては環境や動物への配慮という視点をしっかり持ちつつ、でもお客様からすると、ものを選ぶときに「環境に優しいから買う」という理由だけでは少しハードルが高いかもしれないと思うんです。だから、「可愛くて、使いやすい」がベースにあり、その商品が更に環境に優しかったらすごく良いよね、という考え方をお伝えできたら良いなと思っています。 ___ネイキッドサコッシュやリュック、すごく素敵です。新作の猫の首輪も拝見しました! 唐沢:今回新作として、2月22日の猫の日にクラウドファンディング を通して「APPLE MEOW COLLOER」を発売します。こちらは首輪の表素材にアップルレザー、裏素材にはコルクレザーを使用しており、どっらも植物由来のレザーを使っているので、猫ちゃんも安心です! 「APPLE MEOW COLLOER」¥5,625(ゴロニャーゴ) 多様性を受け入れるきっかけになれば ___ところで唐沢さん自身が環境や動物に対する思いを抱いたのはいつからですか? 唐沢:実は私自身、元々環境に対しての意識を高く持っているタイプではなかったのですが、アメリカの大学に在籍していたときに、ヴィーガンの方に出会ったのが入り口でした。保守的だった私は当時、ヴィーガンという考え方を受け入れるのに時間がかかったのですが、その価値観を知るにつれ、もっとオープンマインドに、多様性を受け入れてみても良いのではと感じるようになりました。 ___多様性という意味では、「共生コレクション」というラインも展開されていますね 唐沢:はい、「共生コレクション」は、異なる考え方や価値観を持っていても、性別を問わず誰でも気軽に楽しめる、ボーダーレスなデザインにこだわっています。 ___ヴィーガンという考え方も多様性の一つですよね 唐沢:そう思います。なので、そもそもヴィーガンを広めていきたいというよりは、ライフスタイルの中の選択肢の一つとして考えてもらう機会を提案し、結果的に自分に無理のない範囲で環境や動物に配慮できたら理想的ですね。 ___なるほど、今回ライフスタイルブランドとしてリブランディングされたのも何か意図があるんですか? 唐沢:そうですね、元々はブランドの存在意義として「きっかけを与えられるブランド」になると意気込んでいたんですけど、3年後、5年後、そしてその先にのモノづくりを通して僕たちが伝えていきたいことや実現させたいことを改めて整理した時に、サステナブルを知る「きっかけ」でおわるのではなく、より皆様のライフスタイルに寄り添った「巡り(循環)の良い暮らしを届けていきたい」そう決意しました。 ___「巡り(循環)の良い暮らしを届けていきたい」という視点で、いま具体的に考えている取り組みはありますか? 唐沢:巡り(循環)という一つの意味で、カーボンオフセットは考えていきたいと思っています。ものを生み出している以上、二酸化炭素を排出してしまうのは否めません。ただ、それを事業活動の中で相殺していきたいと考えているんです。なので、植樹活動を行う団体への寄付もできるショップポイントを導入するなど、顧客と手を取り合いながら環境負荷を最小限に循環する仕組みを整えていきたいですね。 ︎ ライフスタイルブランドとしての展望...