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「かわらないふるさとが、世界を美しく変える」KALCANOブランドインタビュー

熊本から世界へ。

202012月、繊細で美しく、新しいジュエリーが誕生しました。

その名はKALCANO(カルカノ)。

「かわらないふるさとが、世界を美しく変える」というメッセージを据え、世界初の、熊本小国杉から生まれたジュエリーです。

あたたかく繊細なジュエリーが輝きを放つとき、ふと、「ふるさと」の存在に想いを馳せる。そんなきっかけを届けながら、今日もKALCANOは世界への歩みを続けています。

KALCANOを立ち上げた、代表の野村卓馬さんにお話を伺いました。

 

それは、一枚の名刺から始まった

___野村さんがジュエリーを作ろうと思われたきっかけは?

野村:実は名刺なんです。2019年頃から、地元の木を使って何かできないかと考えていました。その時に思いついたのが、自身の名刺を木で作るということ。そして出来上がった名刺の繊細さに触れていると、もしかしてこれを割いたり切ったりして手仕事を加えればジュエリーが作れるのでは?とアイディアが浮かんだのが最初です。

___そもそも、名刺を木で作ろうと思ったのはなぜですか?

野村:20164月の熊本地震がきっかけです。当時、私自身は既に東京で会社員として働いており、友人と一緒に何かできないかと、都内で復興支援マルシェを開催していました。大々的に運営するようになり、その商品コーディネートを任された際、名刺が必要になったんです。地元の方と実際に会って、商品を取扱わせてほしいとお話しているうちに、この名刺を地元のもので作れないか?と考えるようになりまして。 

___なるほど、そうして出来上がった木の名刺からインスピレーションを受けて、ジュエリーが生まれたのですね。

野村:完成した木の名刺を見て、あまりに美しくて。そこからは完全に閃きでした。これはジュエリーにできると確信し、ジュエリーデザインをしている妻の妹に相談しながら、形にしていきました。今は、私や妻のアイディアをデザインに組み込んでいます。

人も自然も、そして地域も文化も生業も取り残さない

___実際にジュエリーを商品化するにあたって苦労したことはありますか?

野村:1番は加工性です。KALCANOのジュエリーは、幅2mm、薄さ0.4mmという非常に繊細なもので、これだけ細く薄い木を加工するということに最初は苦労しました。KALCANOのこだわりとして、「誰もが特別な機械を使わずに指先から生み出せるもの」にしたいという思いがあります。それを守りながら上質なものを作るため、木材について一から勉強しました。 

___「指先から生み出せるもの」ということは作り手も育てるということですか?

野村:はい、まず地域から魅力的なものを発信する時、新しい工場を作ったり、技術を導入したりするのではなく、私たちが好きなふるさとの風景のままで、そこから世界の一流ブランドが認めるようなプロダクトを生み出せないかなと考えました。そのために、地域の方々に製造技術を伝授し、1人でも多くの作り手を育てることで、地域の人の指先から生み出すプロダクトを地域の生業にしていけたらと思っています。

___実物を拝見すると、とても高級感がありますよね。

野村:ありがとうございます。これは今も積み上げている途中なのですが、KALCANOを世界のハイブランドの一つにしていくには、そのハイブランドの市場に出しても恥ずかしくないものを作らなくてはなりません。小国杉をメインに、18金や国産のあこや真珠、国産の漆など素材にもこだわり、今まで存在しなかったパーツを型から作っているものもあります。また、パッケージや、ブランドストーリーなども工夫し、プロダクトの価値を高めていくことが、今も課題として取り組んでいる点です。

___ディスプレイも本物の苔を使ったりと、こだわられていますよね

野村:実はPOP UPは今回のThe Craftedが初めてだったのですが、ディスプレイに使用した苔は小国杉が広がる山から採取した本物の苔です。ストーリー全体を通してブランド力を高め伝えたいという想いがあるので、世界観を大事にしたく、フェイクは使わない、そして地元のものを使うという点には特にこだわっています。

___ジュエリーのメインの素材となる小国杉について、詳しく教えていただけますか?

野村:小国杉は、他の杉に比べて白っぽく、少しピンクがかった色をしています。木を加工する際、天然乾燥だと半年近くかかるため、大抵はボイラーを使い1週間ほどで乾燥させることが多いのですが、火が入るため少し焦げた色になりがちなんです。でも小国杉が広がる熊本県小国町は、今も噴火活動をしている阿蘇山の麓にあり、地熱で乾燥をさせることができます。ボイラーで乾燥させるのと変わらない期間で乾燥できるのに、地熱という自然のものを使っているため、木の本来の色や、しなやかさが出てくるんですよ。エコノミー・エコロジカルで、良いものができる。250年前に植えられた歴史ある杉の美しさを、最大限に生かす一つの方法として、ジュエリーという形があっても良いかなと思っています。

 

その「美しさ」を世界へ

___実際に手に取らせていただきましたが、その繊細さに加えて、ものすごく軽いことに驚きました。

野村:気がつきました?実は、KALCANOというブランド名は、その軽さから来ているんですよ。「軽いね」というのを熊本弁で「かるかね〜!かるか〜!」と言うんです。それをベースにしつつ、加えて、KALCANOは世界のハイブランドと肩を並べることを目指してブランドを立ち上げたので、メインのターゲットである欧米市場を意識して語尾を「ノ」にしました。ヨーロッパのハイブランドは「ノ」で終わるブランドが多いイメージなんですよね。…ほとんどダジャレですが(笑)

 ___綴りはCALCANOではなく、KALCANOなんですね。

野村:そこは1つポイントです。ヨーロッパの方に聞いたら、「K」で始まるのはKIMONOに代表されるように、少しオリエンタルな雰囲気で、日本の香りをイメージさせるのだそうです。現地の既存のブランドにはあまりない文字の並び。だからこそ「C」ではなく「K」を選びました。

___野村さんが「ふるさと」に対して想いを巡らせたのはいつからですか?

野村:ブランド立ち上げにあたり最後の一押しになったのは2016年の熊本地震ですが、元々は小さい頃から自分の好きなものを誰かに紹介するのはすごく好きだったんです。中学生の頃は熊本城に遊びに行き、迷っている観光客の方を見つけて、勝手にガイドしたり…!

___すごい行動力ですね!

野村:面白かったのは、携帯電話に間違い電話がかかって来たときに話が盛り上がり、熊本に遊びにきてもらって案内したこともありました(笑)

大人になって、熊本地震をきっかけに、“自分で何ができるか”ということをより探すようになりました。

熊本には、地元の良さを伝えていきたいという人が多いように思います。それはきっと、自分たちが子供の時、大人たちがそうしていたから…!

___地域で気持ちを繋いでいくというのは素敵ですよね

野村:そうですね。ただ、地域おこし、地域のものづくりというのは、どうしても内輪に入りがちですよね。たとえば、熊本の人は熊本の人で集まる傾向があるように。現地に来てくれる人には届くけれど、外に目を向けるとまだまだ。だからこそ、世界に負けていないものの価値を高めて、しっかりと世界に届けていきたいという想いがあります。

___今後、KALCANOをどんなブランドにしていきたいですか?

野村:実は元々コロナがなければ日本ではなく欧州から販売開始する予定だったんです。いつか世界中の人に、「KALCANOといえば、ふるさとの美しさをそのまま表現したジュエリーだよね」と言ってもらえるようなブランドにしていきたい。直近の目標は、例えばパリのファッションウィークやカンヌ映画祭で衣装として使ってもらったり、海外向けの雑誌で紹介してもらったりすることです。そして70年後には、世界の超一流ブランドと並ぶブランドを目指して育てていきたいです。

KALCANO公式サイトはこちら

 

Model by Miyako Miyazaki

Photo by Chiaki Oshima , Go Masunaga

*「小国杉」は小国町森林組合・阿蘇森林組合の登録商標(5120442)です

 

Edited by Ayene Kibayashi(@ayanen_n